「諏訪大社・上社前宮」へ行ってきた
この記事は「諏訪大社・下社春宮へ行ってきた」の続きです。
下社春宮の次は、湖の反対側にある「上社前宮」へ向かいました。
町の中を進んでいくと、森が見えてきました。奥が前宮です。
境内
立派な狛犬と鳥居。左奥に見える建物は「十間廊」と呼ばれる建物。「御頭祭」が行われる場所です。毎年4月15日に、鹿や猪の頭の剥製がお供えされます。現在は剥製が使われているますが、江戸時代の資料に、白い兎が松の棒で串刺しにされたものや鹿や猪の焼き皮と海草が串に刺さって飾られていたり、鹿の脳和え・生鹿・生兎・切兎・兎煎る・鹿の五臓などがお供えされた内容が残っているそうです。
なんだか恐ろしい様相ですが、お供えされる内容から、狩猟に関係したお祭りなのではと推測される人もいるようです。ここ、前宮の祭神を建御名方神では無く先住民の信仰である「ミシャグジ神」とする説もあるようで、その太古からの信仰が現在に引き継がれてそのような祭りがあるのではといった事のようです。
諏訪には「甲賀三郎」の伝説や、「御柱祭」といった不思議な伝説や祭りが残っており、確かに太古の昔に何かあったのではとロマンを感じさせます。
さらに奥に行くと森が深くなります。
前宮・拝所
諏訪の祭祀の発祥地とされる場所です。上社大祝(おおほうり・神に仕える神職のような意味らしいです。)の始祖とされる諏訪氏が初めて大祝に就いて以来、大祝の居館が設けられていたそうです。大祝は神体と同視(= 現人神)されていたことから、その居館は「神殿(ごうどの)」と尊称され、周辺は「神原(ごうばら)」と呼ばれていたとの事。諏訪信仰はここから始まったのですね。
森に中にある社は、落ち着いた雰囲気の中に木々の生命力を感じられる気がします。
「水眼(すいが)の清流」
向かって左脇に見えてくるのが「水眼(すいが)の清流」です。これが前宮の御手洗川となり、御神水とされてきたそうです。かつてはここで、神事に先だって身を清めたそうです。奥に御柱が見えます。
上社前宮は諏訪信仰発祥の地ですが、重々しい感じでは無く、何か生命の明るさのような雰囲気がある場所でした(個人の意見です)。皆さんもあの雰囲気を、実際に訪れていただいて味わっていただきたいと思います。